「ターゲットに関して極めて重要な情報を入手した(@w荒
C子は目を丸くした。
「重要な情報・・・・?」
ヲレはC子の前にショパンの「Trois nocturnes」の
楽譜を出した。
「君には今日からこれが弾けるようになってもらう(@w荒
「えっ・・・?」
「彼の母上が好んで弾いていた曲だ。
彼は街でこれをふと聞いてたちどまっていた。
ずっとだ。
つまりこの曲は彼の心の奥へ通じる鍵となるものだ。
君はピアノのレッスンを受けていたと言っていたな?」
「え、・・・ええ。でもこんな難しい曲・・・」
「全部弾けとは言っていない(@w荒
ヲレは楽譜に赤いペンで印をつけた。
「ここから・・・ここまでだ(@w荒
「それくらいなら・・・なんとかなるかも」
「よろしい(@w荒
ヲレは次にある紙切れを出した。
「これが彼の母上のことだね?(@w荒
それは交通事故についての新聞の切れ端だった。
即死。信号を無視して突っ込んできた乗用車。
「・・・そう」
C子は頷いた。
母親が死んでから、少年は人が変わったようになった。
C子を遠ざけ、別の小学校から上がってきた少女と
付き合うようになったのもそれかららしい。