大勢の人がまだ記帳のために残っていた。
泣き崩れる人も多数いた。
ひろゆきとその家族もその中にいた。
だが、ひろゆきは泣いてはいなかったし、
哀しくはなかった。
今日、
ひろゆきが心の中で決めたことは以下の通りだ。
システムは公理から成り、
公理間の交錯で渋滞なく運動していく。
自分は、そういった論理を尊ぶ。
だが、
同時に自分はそう言ったシステムからは自由でいたい。
システムに束縛されず、
自分がその時々に好きなことを、
低コストで、人間関係にも呪縛されず
徹底的にやっていたい。
そうした存在の超然性の先達として、
天皇に一応の儀礼的敬意を示すために来ただけだ。
ひろゆきは、皇居を見つめた。
広い建物だ。
べつにこんなに広いところに住まなくとも、いいな。
でも、
自分も、ある種の天皇になりたい。
超然とした存在でいたい。