2004年04月01日

昭和最後の日-9(@w荒

そのうち、練習は一旦休憩になった。
ひろこは、タオルで顔を拭きながら部室の方へ向かった。
ひろゆきは、後を追った。
追ってどうするんだ?
と心の中で自問したが、解答などあるはずもない。
部室は、校舎の端のプレハブの中にあった。
ひろゆきが部室の前まで来ると、
ひろこのタオルが無造作に
廊下に置かれた彼女の名前の書かれた
スポーツバッグの上に置かれていた。

ひろゆきは、
ごくりと唾を飲み込み、辺りを見回してから
その黄色いタオルを手に取った。
顔をタオルに埋める。
「くせっ・・・」
思ったよりいい匂いではない。
当たり前だ。汗の匂いなのだから。
彼はタオルをバッグに戻した。
すると、部室の中から声が聞こえてきた。
なんだろう。

ひろゆきは、
部室の窓の隙間からこっそりと中を覗いてみた。
ひろこが、先輩の男子生徒と話している。
そのうち、会話が止まった。

男子生徒が、ゆっくりとひろこの方に近寄っていき、
二人は唇を重ねた。
ひろゆきは目を見開いてこの光景を見ていた。
だが、
足を動かした際に、ひろこのスポーツバッグにぶつかってしまい。

思ったよりも大きな物音が出てしまった。

「誰っ?」
ひろこが言った。
「やべっ!!」
ひろゆきは脱兎のように走り出した。
プレハブの階段を5段抜かし、6段抜かしし、
校舎の中へ走り去り、
裏口から自転車を駐車しているところを目指して
一目散に走っていった。
posted by 東京kitty at 16:02| 東京 ☀| Comment(0) | 昭和最後の日(@w荒 - 2ちゃんねる最初の日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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