2004年04月01日

昭和最後の日-3(@w荒

ひろゆきは、本当は外に出ることは好きではない。
だが、家にいても、
持っているファミコンのゲームが少ないために、
飽きてしまうのだ。
楽しくないのだ。
おまけに家にはねえちゃんがいる。
姉は、ひろゆきにとっては
物覚えのついたころからの強敵だった。
「ひろゆきは男の子なんだから」
とか、
「私はひろゆきのために我慢しているんだからね」
が口癖だった。
「別に我慢なんてしなくていいよ」
とひろゆきはいつも思っていたが、
とても口には出せなかった。
姉の方がひろゆきよりも背が高く、
ひろゆきはいつも見下ろされていたのである(@w荒


ひろゆきは、立ちながら自転車を漕いだ。
エイジは、高校受験のために今から塾に行っているという。
未来。
自分は、あと10年後何をしているんだろう?
この街から、いや家族から抜け出せるのだろうか?

マンションと団地の立ち並ぶこの街に生まれたひろゆきは、
この街が嫌いでもあり、好きでもあった。

ひろゆきは、公営団地の敷地の中に入り込んだ。
5号棟の3階の端の部屋のドアをノックする。
「お、ひろゆきじゃん。入れよ」
「アンニョンハシムニカ」
ひろゆきはそういって入りこんだ。
金田の家は、もともと在日韓国人の家庭である。
彼の本当の名前も、キムヨンジュという。
だが、公営住宅に堂々と入居している。
聞いたところによると、とある政党の有力支持者として、
口を聞いてもらったという。
ひろゆきは、金田の家に行くのが好きだった。
彼の家には沢山のファミコンのソフトがあるばかりか、
彼の親は外にいることが多く、
夜遅くまで一緒に遊ぶことができたからである。

「ゲームボーイって4月に出るんだってよ」
金田は、
テレビの前でファミコンの雑誌の記事を見ながら
ひろゆきに言った。
「ゲームやろうぜ」
ひろゆきはテレビを2チャンネルに変えようとした。
「あ、ちょっと待って」
金田はひろゆきを止めた。
「どうして?」
「ちょっとだけニュース見ようよ。ちょっとだけ。な?」

posted by 東京kitty at 15:47| 東京 ☀| Comment(0) | 昭和最後の日(@w荒 - 2ちゃんねる最初の日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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