2004年04月01日

昭和最後の日-2(@w荒

ひろゆきは、一旦学校から帰ってきてから、
外に遊びに行ったのだ。
「今日は天皇死んだから、外食は止めだよ」
ひろゆきは、予めそう読んでいた。
「夕方まで遊びにいっても大丈夫だろう」

ひろゆきの家の周りは、マンションが多い。
ひろゆきの家自体も官舎だし、
一戸建ての家は数える程度だ。
小学校のクラスもマンション住まいの
サラリーマンの子供ばかりである。
遊びに行くとしたら、
多くのファミコンのソフトをもっている友達のところが
好まれた。ひろゆきが今遊んでいるエイジも、
やはり沢山のゲームをもっていた(@w荒

エイジは一人っ子だ。
父親は証券会社の営業マンをやっている。
羽振りがいいらしい。
一人っ子のエイジのために、
カネをつぎ込んでいるというわけだ。
「な、ひろゆき」
「ん?」
ひろゆきはファミコンのコントローラを握り締め、
画面に集中しながら言った。
「おれさ、もうじき塾なんだ」
「あ、そう。行ってらっしゃい」
ひろゆきは、Aボタンを押した。

ひろゆきの態度に、エイジはまごついた。
「いや、あのさ・・・だから」
エイジは、ふすまの向こうの母親を気にしていた。
エイジは、とある私立中学に落ちて、
今はひろゆきと同じ中学に通っていた。
だが、高校受験は成功させようと、親は必死になっているようだった。

「あー飽きた。帰る」
ひろゆきは、突然立ち上がり、
コントローラーを投げ捨てた。
「じゃ」

ドアを開けて、外に出る。
ひろゆきが立っている7階からは
倉庫と自動車学校が見える。
ひろゆきは、白い息をハアハアと両手に当て、
階段を降りていく。

「なあ、将来ひろゆきは何になりたいんだよ?」
エイジに聞かれたことがある。
「さあ・・・食べるに困らなければなんでも。
遊んで暮らせれば最高」
ひろゆきはそう答えた覚えがある。
今でもそれは変わらない。

ひろゆきは、マンションの駐車場に停めてあった
自転車に跨った。
「つめてー」
自転車のハンドルの部分がやけに冷たい。
1月の初め、自転車で走ること自体が寒くてたまらない。
歩いた方がまだいいくらいだ。
だが、やたらとだだっ広い彼の街に散らばる
彼の友人たちを訪れるには、
自転車を用いるのが最も効率的だから
仕方がない(@w荒
posted by 東京kitty at 15:45| 東京 ☀| Comment(0) | 昭和最後の日(@w荒 - 2ちゃんねる最初の日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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