2004年04月01日

とあるフィクション-20(@w荒

つきあっている少女がいないのはよいことだが、
少年は女性というものに対して
極めて根深い不信感を持っているようだ。
悪いことに女のきょうだいを間近で見ているために、
その不信感には現実の経験という
極めて強力な抵当権まである。

とりあえず、この少年と近づきになって、
B子を紹介するのは折りを見て、
というのがよいのかもしれない。

都心のとあるホテル。
室内のプールでヲレと少年は泳いでいた。
白く美しい肢体を水の中に潜らせた少年が、
クロールで泳いでくる。
ヲレは一旦プールから出てプールサイドのテーブルで
Loeb社が出しているユリウス・カエサルの「ガリア戦記」を
ラテン語で読んでいた。

ヲレはウェルキンゲトリクスがカエサルの軍団を破った場面を
読むのを中断し、ふとプールの方に目を向けた。
目に映った少年の泳ぐ姿は滑らかで若鮎のようだった。

少年が少女のように長い髪から水を垂らしながら、
ヲレの方に向かってくる。
少年はやはり少女のような端整な顔をヲレの方に向けて
少し微笑んでから言った。
「何読んでるの?」
「昔ある皇帝が書いた本さ(@w荒
ヲレは本をテーブルの上に投げ出した。
「あっ、濡れちゃうかな」
少年はタオルで手を細目に拭いてから
赤表紙の本を見た。
「英語・・・?」
「いや、そっちは英語ではない。
 ラテン語さ(@w荒
「わかるの?」
「でなかったら読んでないよ(@wぷっ
ヲレは会話の中のタイミングを掴んで聞いてみた。
「それにしてもなかなか決まっている泳ぎをしていたな(@w荒
「うん、前にスイミングスクール通ってたから」
「ほう(@w荒
「今はほとんど。でも、いい場所知ってるんだね」
 少年はそう言って回りを見た。
 この時期はすいている。
 ヲレは素直に感心している少年の明るい瞳を見ながら、
今が話しを持ちかける時期かと思い口に出した。
「実は、ある女の子に会ってみないかね(@w荒
「えっ」
 少年は口を半分開けてヲレを見た(@w荒
「・・・いいよ。ただ会うだけなんでしょ?」
少年は尋ねた。
「ああ(@w荒
ヲレは頷いた。
「どんな子なの?」
そう聞かれて、ヲレはB子のことを少し説明した。
「どんな関係?」
「知り合いさ(@w荒
 君に彼女がいないというから紹介してあげようかと思ってね(@w荒
「別に彼女なんて・・・」
少年はそう言って押し黙った。
どうもあまり乗り気というわけでもないようだ(@w荒
ヲレは少年にも飲み物を勧め、
もう一度泳ぐことにした。
「カエサルもアレクサンドリアでは
 命令書を頭に載せて泳いださ(@w荒

posted by 東京kitty at 07:33| 東京 ☁| Comment(0) | とあるフィクション(@w荒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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